会長あいさつ
2021年4月より会長に就任しました。何卒宜しくお願いいたします。
現在はコロナ禍で日本国中が騒然としていますが、大腎協も例外ではありません。患者会活動にも苦慮している状態です。透析患者は新型コロナには「正しく恐れ」ながら、特に他人との接触や外出には気を付けなければなりません。できる活動からしていかねばと思っています。
特定非営利活動法人大阪腎臓病患者協議会(略称:NPO大腎協)は、大阪府内の医療機関(病院)で治療を受けている腎臓病患者の会です。会員のほとんどが人工透析を受けている腎臓病患者で、慢性腎臓病や移植者も含まれています。主に透析医療環境の向上を目的に活動しており、現在の会員数は約3千人にのぼります。
かつて、病気やケガで腎臓が働かなくなり、腎不全となった患者は、死を迎えるしかありませんでした。しかし、1945年に人工透析という療法がオランダで生まれ、1960年代にアメリカで本格的な治療法として確率し、腎不全患者の命が救われるようになりました。
やがてわが国でも人工透析が行われるようになりましたが、治療費は高額で、一般の人に払いきれる額ではありませんでした。「金の切れ目が命の切れ目」といわれた時代です。そこで各地で患者の会が生まれ、きびしい水分制限とひどい貧血に苦しみながらも互いに団結して国に働きかけを行いました。そして、1972年医療者の努力やマスコミの力もあって透析医療に対して身体障害者として認定され「更生医療」が適用されました。これにより、透析医療費のほとんどが公費でまかなわれるようになり、これを契機に透析医療技術も向上して多くの人の命が救われるようになりました。2019年末で透析年数20年以上の患者は全国で約2万8000人と、全体の8.4%をしめるまでになっています(日本透析医学会『わが国の慢性透析療法の現況2019年末』より)
大阪の複数の団体は、1974年にひとつとなり「大阪腎臓病患者団体連絡協議会」という組織を立ち上げました。通称「大腎協」の誕生です。1981年に名称を「大阪腎臓病患者協議会」に変更、2009年に特定非営利活動(NPO)法人となり、現在に至っています。
NPO大腎協は、慢性腎臓病みなさんのための団体です。これからもみなさんの協力なくして活動はできません。
ご協力のほどよろしくお願いいたします。
令和3年4月吉日
NPO大腎協
会長 大西眞人